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神風特攻隊9-離別






上は、神風特攻隊の福元清則さんをモデルに描きました。敵機動部隊に体当たり攻撃を敢行し、18才でお亡くなりになられました。

下は、母のお店のお客さん(現在87才)の若い頃をモデルに描きました。実際にお持ちだった、戦前のお写真を拝見させて頂きました。お顔と背景を変えて、写真からそのままの姿を抜き出しました。

お二人の実際の繋がりは、ありません。
今回のテーマは、神風特攻隊と思いを寄せていた女性です。

このテーマに定まったきっかけは、先月日本に帰国した際、お客さんから戦時中のお話を伺った事から始まりました。
お客さんには、戦前より親しくなさっていた男性がいました。間もなくして、この男性は服役されました。その後、この男性からお客さんの元へ、写真を添えた一通の手紙が送られてきたそうです。(内容は伺っていません)
私が「その方は恋人ですか?」と聞きますと、「あの時代は、今の時代のように男の人と手をつないだりとか、一緒に自転車に乗ったりだとかは、他人の目が光っていて、出来ませんでした。恋人というのではなくて、よく気が合って一緒に遊んだりしていました。」とお客さんはおっしゃっていました。
そして、今でも大切に持っていた、その男性の写真を見せてくれました。非常に凛々しい軍服姿の写真でした。手紙は、結婚前にお父さんに燃やされたそうです。
でも、大東亜戦争が始まり、それ以来連絡は来なくなったそうです。
「生きているのか、亡くなったのか、それすらわかりません。」とお客さんは仰っていました。

私は、神風特攻隊に興味を持ち出してから、その絵を描いていますが、神風特攻隊に限らず、戦争に行かれた方全てがこの世の英雄だと思っています。そして、戦争を経験された全ての方々に敬意を持っています。
お客さんから伺ったお話は、私にとって感慨深いものでした。
この方の、若かりし日の日傘を被った着物姿のお写真は、言葉に表せないほど美しかったです。

おそらく、神風特攻隊の中にも、家族のほかにお別れをしなけらばいけなかった、思いを寄せていた女性がいたのだろうと思い、今回はこの二枚の絵を描きました。

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