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返り咲いたラーナック城

2日目は、前日とはうってかわって気持ちのいい快晴。
翌日、結婚式を控えた新郎のケンちゃんと新婦のダイアンのすすめで、朝からラーナック城まで送ってもらい、見学に行きました。実は、ここはふたりの出会いの場所でもあるそうなんです。




ラーナック城は、1871年にオーストラリアから渡って来た実業家ウィリアム ラーナックが200人の職人を雇って建てたニュージーランド唯一のお城です。お城本体の建築には3年かかりましたが、内部の装飾にはヨーロッパから優れた工芸家達を呼んで、12年もかけたそうです。ヨーロッパのお城などと比べると建物は小さいですが、城の内部を見たとき、実はドイツのノイシュバンシュタイン城に似ていると思いました。


像の背後の左上にあるのがお城

お城はその後ラーナックの死に伴い、1906年に売りに出されました。 現在では、バーカー家の個人の所有物になっています。ちなみに、1967年にバーカー家がこのお城を購入した当時、家具はほぼ残っておらず、建物は長い年月による老廃がかなり進んでおり、グラフィティなどもされ、廃墟と化していました。
その後は、お城の修復作業から造園、家具の調達まで、全てバーカー家が個人で行って、現在のような美しい城に蘇りました。(バーカーの奥さん自らが大工仕事をしている映像を見ました!)
特に、お城の内部は調度品や家具などで当時の様子をリアルに再現してあり、見ごたえがあります。


お城の入り口

上記の通り、現在、これはバーカー家の個人の資産ではありますが、持ち主の、”所有している自分たちだけが楽しむのではなく、これを公開するという方法で、ここを訪れる世界中の人々とラーナックの時代からの遺産を分かち合うべき”との意向によって、一般公開されています。
入場料は27ドル。城内では個人の家であるという理由から、写真撮影はできませんでした。ちなみに、バーカー夫妻はふたりの子供達をこのお城で育てたそうです。現在は、もうここに住んでおられません。(お城に行く途中に、今の住まいがあります)


この奥にはカフェレストランがあります

お城の前の池

ウェディングもできます

お城の胸壁からハーバーを望む

海抜320メートル


そういえば、前々回の記事で、ちょうど偶然にブードワーについての話をしましたが、ラーナック城に本物のブードアがありました。このブードアは、ラーナックが3番目に迎えた若い妻、コンスタンスのために造った部屋なんだそうです。ドアがなく、たっぷりとした黒のカーテンで廊下と仕切られてありました。

この当時のブードアというのは寝室ではなく、着替え部屋と裁縫部屋になってあります。コンスタンスのウェディングドレスやコルセットなどがディスプレイされてあり、当時のブードアの様子がよく伝わってきて、感動しました。

照明の加減だったのか、実はなんだかとてもコソコソと秘密っぽい部屋なんです。ヴィクトリア朝時代のソファーも置かれてあって、単なる上記のような実用部屋というだけではなく、女性達が集うおしゃべり部屋か、もしくは恋人と過ごす部屋というような感じもうけました。当時、ブードアは女にとっての贅沢部屋だったのでしょう。それも、おそらく、豪邸にしかなかったはずです。



お城のがとにかくすごく広くて、その中に、離れのお家のようなものも。それもかなりの豪邸。庭中、小道がたくさんあって、まるで迷路のようでした。

ただ、私は城の内部や歴史の方にもっと興味をひかれ、結局2時間半もお城の中にいたので、庭を見回る時間はほとんどありませんでした。




城の中にはお土産屋さんもあって、そこで鉄製のアンティークの”キャンドル スナッファー”(ろうそくの火にかぶせて火を消すベル状のスティック)を見ました。どういったものか、分からない方にお見せしますと、、、

http://www.erasofelegance.com/acatalog/snuffer.html
 私が見たのはここまで素敵ではなかったです。

それがお城のイメージたっぷりだったので、買おうかと思ったんですが、この先の滞在中に何かほかに欲しいものが出てくるだろうと思い、結局は買いませんでした。

今思うと、4日間の滞在中、ここでの買い物が唯一、自分へのニュージーランドらしい土産を買うチャンスでした。この後、ひとりで町をぶらぶらしましたが、パースと売っているものが大体似ていて、結果的に何も買わずに帰る事になったからです。(正確には、ダニーディンの方がもっと品揃えが良くて、ヨーロッパの輸入品などもよく見かけました)





お城の横のレストランでランチをとりました。中に入るやいなや、スコットランドにいるのと勘違いするくらい、重厚な家具や飾り付けが似ています。
ここでもまた、大きな暖炉が2台あって、パチパチと木の燃える音が。。不思議ですが、暖炉の火というのは、空気を乾燥させず、体の芯まで温める効果があるようですね。



食べ物は、”ジンジャーチキンそば”なんて、かなり日本ぽいものを頼んだけれど、これが最高に美味しくて、大満足!もう参った。


そういえば、美しい内装を眺めていると、ちょっと思い出しました。

前に旦那が、欧米のインテリアや欧米人が好んで身に付ける装飾品に関して、「日本人はどちらかと言えば、シルバーのような洗練された涼し気な色合いを好むけれど、欧米人はゴールドや飴色やマロン色(赤ワイン色)のようなゴージャスな暖色の色合いを好む。」と教えてくれました。

ちょうどこれは以前ふたりで、”なぜアイアンマンのヒーロースーツの色が、シルバーから最後赤とゴールドのスーツで完成されたのか”ということを話している最中に、旦那が言った答えでした。欧米人から見ると、銀よりも、あのカラーの方が数段に格好いいんだそうです。

いやいや、話が逸れたけど納得。
まさにこういった家具の色調を見ていると、欧米人の嗜好がよくわかった感じがしました。それに、それぞれが好む色合いは、なんとなく風土や肌色とも合いますね。


お城の最上階より庭園とハーバーを望む
 

お城を後にして、山を下る途中、壮大な景色を眺めていました。
町との気温差がずいぶんあったので、翌日、外で、しかも同じようなロケーションで開かれるというセレモニーが少し心配になってきました。


つづく。

コメント

  1. たしかオーストラリアにはお城はないと聞いたことがありますがニュージーランドにはお城があるのですね!素敵^^中が見られない(写真が撮れない)のは残念ですが、RUMIKOさんの説明から想像してみます。
    風景はオーストラリアとはずいぶん違いますね。山々やハーバーの様子はヨーロッパ的な感じがします(といってもほとんどのヨーロッパは写真でしか知りませんが^^;)
    どんな結婚式だったのかしら♪

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  2. りりーさん、記事を書いている間にどんどんと長くなって、結婚式のことが延ばし延ばしになっちゃいました!次にいきます。

    中がねぇ、本当にヨーロッパのお城と造りが全く同じなんですよ。外観からしてもお城と呼ぶには少し小さいので、最初は家のような感じなのかなぁと思いましたが、中が立派なお城でした。

    風景は全くオーストラリアとは違いました。でも旦那が、NSWに似ているところがあると言ってました。私にはどうだかちょっと。。。ダニーディンは、ニュージーランドの中でもっともヨーロッパ文化が息づいた町だと聞きました。気候も大きく影響しているのではないでしょうか。

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