スキップしてメイン コンテンツに移動

ジョルジオ・アルマーニ /研ぎ澄まされた感性と哲学



ジョルジオ・アルマーニ(以下A): 元気そうじゃないか?
中田英寿(以下N): まあまあですよ。

A: よしやろうか。 どこに座ればいいんだい?
A: この間パリで会ったよね? 私がクラブから出ようとしたら君が入って来たんだ。
N: そうそう偶然だったですよね。あなたがいるなんて全然知らなかった。


N: ところで、この家のようなアジア的な装飾が好きなんですか?
A: この家は何年も前に作ったが、家の装飾はいつも東洋的な視点で作るんだ。
N: 僕は日本人なので、日本よりも西洋のものに惹かれるんです。
A: 西洋のもの?
N: そう。でもあなたは逆でしょ。
A: 僕は逆だね。 東洋の家にはムードがある。と言ってもそんなに頻繁に東洋に行ったわけではないし、あくまでも自分の想像上なのかもしれないけど、雑誌で見た古い東洋の家のイメージが強いのかもね。

Fashion Museum in Milan

A: とにかく家はオリエンタルなスタイルにしたいんだ。東洋の家には家具がとても少なくてシンプルだ。
そして木造の家は軽い。ふすまが軽やかに開閉される。これこそが僕のスタイルなんだ。
N: 僕も家にいるのが大好きです。
A: フィレンツェの街中に住んでいるの?
N: 少し郊外ですね。
A: 一軒家?
N: こんなに大きい家じゃないですけどね(笑)
A: 伝統的なトスカーナの家なんだろうね。
N: 僕はモダンなものが好きなんです。


A: 君は東洋人で西洋のものが好き。僕はその逆というわけだ。
N: イタリアに来る前はとにかく西洋風なものが好きでした。でも6年もイタリアに住んでみて少しずつ・・・
A: 自分の起源を愛するようになった?
N: そうなんです。

Richard Gere in Armani Suits in American Gigolo

A: ファッション界では当たり前だけど、スポーツの世界でも間違いなく創造力を必要とするよね。
でも私が思うに日々の鍛練こそが大事なんだ。どのように自分が生きたいかということを日々考えることはスポーツでもファッションでも重要なことだ。
たまには周りの事を無視するのもいいと思う。一度自分の道を決めたらそれを進むべきだ。
例えば僕が新しいトレンドを作ったとする。すると自然に僕はファッション界で孤立することになる。でもその時初めて自分の本当の仲間を見つけることができるんだ。
リスクはもちろん伴う。でもあえて孤立することで、自分のアイデンティティを確立することができる。そう思わないか?

N: そうですよね。でもそうするためには自分が強くなければならないですよね。始めのうちは自分に賛成しない人達もたくさんいるだろうし、批判もされるだろうし。
でも最後には・・・

A: そう最後には勝つ。
主義を貫き通せば、最後には報われる。しかも自分の業績が認められれば、さらに前進することが出来るんだ。

Cate Blanchette for Giorgio Armaini Si Passione Fragrance Campaign




☆8年前にも書いたジョルジオ・アルマーニの記事→Giorgio Armaniの世界

コメント