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願いは世界を旅するロゴ



前回の私がデザインした石鹸のロゴについての投稿、異例のたくさんの方が見にきてくださいました!どうもありがとうございます。

前回の記事→ハンドメイドソープのロゴ


少しグラフィックデザインを始めた経緯を話してみたいと思います。


実は、私は1998年にグラフィックデザイナーを目指して、イギリスはロンドンに渡りました。留学先はウエストミンスター大学です。その1年前の1997年にはブライトンで語学留学も経験しました。
それまでは、私は日本で一度もグラフィックデザインやアートの勉強はしたことがありませんでした。ただ絵を描くことは昔から好きで、幼い頃から鍵っ子だったのもあり、外で遊んで発散するのが好きだった兄とは違い、私は家で一人でいる寂しさを、絵を描くことで紛らわしていたんだと思います。グラフィックデザインを選んだのは、ただ漠然と、です。海外に出るのなら、新しいことに挑戦してみようと思ったのがきっかけでした。


渡英後は、大学の専門授業を受けるに際し必要な3ヶ月間のアカデミックイングリッシュのコースを終えた後、ホームステイから寮生活に変わり、一気に私の周りには日本人がいなくなってしまいました。いよいよだなと、緊張感が増した時でもありました。
寮は大学の構内に併設されてあったので、学期が始まる前に何度も大学に足を運び、ネットができる部屋を探したり、図書館を見に行ったりと、事前に下見をしていました。当日どの教室にいけばいいのかも、ちゃんとわかっていました。

そしてやってきた初日。教室に足を踏み入れると、もうそこは初めて耳にする、目にする環境です。聞こえてくるのはイギリス人たちの会話で、コンピューターのある部屋に、大きなデスクが何個か置いてあって、みなお互い顔を向き合って座っていました。私は恐る恐る中へ入り、空いている椅子にとりあえず座ることにしました。しばらくすると、同じデスクに座っていた一人の女の子が、「あなた、どこから来たの?」と話しかけてくれました。日本と言ったはずなのに、なぜか日系アメリカ人なの?と聞かれました(笑)。どうしても私をアメリカ人にしたかったわけですね(笑)。


授業が始まると、まずグループでのディスカッションが指示され、その後、コンピューターの作業に移るという感じ。私はそこでやばいと思いました。もうみんなは、ある程度コンピューターを操れて、それなりのグラフィックデザインのスキルを習得しているようでした。私は、私だけは、それまでほとんどコンピューターすら触ったことがなかったのです。
英語の授業だけでもついていくのが難しいのに、これは大変なことになると思い、その日のうちにグラフィックデザイン科を辞退することにしたのです。漠然とした夢、叶えようという意志は正直ありませんでした。
そのかわりに、絵を描いたり、ヒストリーを学んだりするアートの方を専攻することにしたのです。ペンや鉛筆や筆を持って描く。下手ですが、これなら私にもできます!


あれからおよそ20年近くが過ぎようとしています。偶然、私はここオーストラリアで、独学でグラフィックデザインの道を切り開くことになりました。友人が販売している手作り石鹸のロゴをデザインさせてもらうことになったのです。ラベルのデザインの相談を受けてる時に、友人を大切に思う強い気持ちから、なんとなく自分にできそうな気がしてきて、「よそにはないようなロゴを作ってみようか?」の私の一言で、話がとんとん拍子で進んでいきました。


私のデザインするロゴはコンピューターだけで生み出したものではなく、自分の手描きの絵がメインになっています。それを綺麗に加工したり、いじったりせず、そのままの状態なのが特徴です。一目でオーダーメイドと見て取れる、そんなロゴを目指そうと思っています。
偉そうに言っていますが、始めたばかりで、本当はほとんどスキルがありません。なのでお客様の要求に応えるということを重視しています。そのために、ロゴが出来上がるまでの全工程をお客様の目でチェックしてもらい、満足でない箇所があれば、どの段階であっても、また初めから描くことが方針です。

このようにして、私はかつて諦めたグラフィックデザインに従事するチャンスをいただいたのでした。本当にありがとうございます。



私の描いたロゴが、メグミソープの石鹸とともに、いつしか世界を旅するようなロゴになりますように!





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