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真実は時を経て


インタビュアーBashir(以下B):あなたは将来、王妃になるとおもいますか?

ダイアナ妃 Princess Diana(以下D): いえ、そう思いません。

B:どうしてそのように思いますか?

D:私は人々の心に宿る、人々の心の王妃でありたいとおもっています。けれども私はこの国の王妃になるとは思えないのです。多くの人たちが私に王妃になって欲しいと思っていないとおもいます。つまり実際は、ここでいう多くの人たちというのは、私が婚姻関係を結び一員となった既成の体制(王室)のことを意味しています。なぜなら彼らは私を成功する見込みのない人として決めつけたからです。

B:なぜ彼らはそう決めつけたとおもうのですか? 

D:なぜなら私はほかの人とは違うやり方をするからです。なぜなら私は規則書の通りにはしないからです。頭で考えるのではなく、心に従うからです。そしてそのやり方が、たとえ私の仕事において、私をトラブルに巻き込むことになったとしても。そこはちゃんと理解しています。けれど誰かが世の中に出て行って、人々を愛し、それを示さなければいけないのです。

B: ではあなたのそのやり方が、実質的にあなたが王妃になる妨げになったとおもいますか?

D:はい。えっと、いえ、妨げになったとは言いません。ただ私が置かれてる環境において、今はかつてほど多く私をサポートしてくれる人がいなくなったと思っています。

B:つまり王室内でってことですね? 

D:ええ、彼らは私を脅威か何かのようにおもっています。私はいい行いをするためにここにいますから。私は破壊的な人間ではありません。

B:なぜ彼らはあなたのことを脅威だと思うのですか? 

D:私はこれまでの歴史の中で、すべての強い女性が私と同じような道を歩んで来なければいけなかったのではないかと考えています。そしてその強さこそが、彼らに困惑と恐怖を与えてきたのだと思います。
なぜ彼女は強いのか?その強さをどこから得ているのか?それをどこに持っていくつもりなのか?
彼女はそれをどこで行使するつもりなのか?なぜ大衆が今でも彼女をサポートするのか?私がいう大衆というのは、つまり世の中に出て活動を行えば、そこには実に多くの人々がいるということなのです。


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ダイアナ妃がチャールズ皇太子と別居し、離婚が成立した前年の1995年にBBCによって行われたインタビューの一部です。このインタビューの一部を見ただけでも、ダイアナ妃は世界中の権力者の中でも数少ない民衆の味方だったことがわかります。
25年も経った今になって、どうしてもこのインタビューが観たくなったので、初めてじっくりと最初から最後まで見ました。

生前はダイアナ妃に対するメディアのイメージ操作が色濃い印象がありました。ダイアナ妃が亡くなった時、私はちょうどイギリスでホームステイをしていて、まだ19才でした。当時は経験も浅く、そもそもダイアナ妃の活動などについてもあまりよく知らなくて、離婚騒動も重なったことから、残念ながら多少偏見があったように思います。
ある日ホストマザーから告げられたその死があまりにも突然で、死に方も衝撃的だったため、今でも頭の片隅に残っている出来事です。

今やっと多くを悟るようになり、ダイアナ妃の口から語られた真実が私の胸を突き刺しています。今、全世界で起きていることの謎や、これまでもずっと抱いてきた世の中の様々なシステムに対する疑問、その答えの一部を私はこの映像の中に見つけたと思っています。

今、こんな情勢において権力者の声が聞こえてきません。困っている人々に救いの手が差し伸べられていません。どうしてこんなに不安が押し寄せる世の中になってしまったのですか?ステイホームと都市封鎖がほんとうに全世界が出すべき最良の答えだったのですか?私たちは真実が知りたいのです。

このインタビューはダイアナ妃が生きて返ってきたような言霊を感じます。とても故人の言葉とは思えないですね。25年前からはっきりとわかっていたことを、誰もがどうでもよいことだけに焦点を当ててワイワイと騒ぎ立てました。その結果が今なのです。
ダイアナ妃の目は、心の奥が泣いています。見ているわたしの涙が止まりません。
後にこのインタビューを受けたことについて、すごく後悔したとダイアナ妃本人が語っていただけに、それだけ人々にとって有益な情報が含まれた、核心を突いたインタビューだったということが推測できるのではないでしょうか。命と引き替えとなったこの映像を、決して無駄にするわけにはいきません。

このインタビューを探してよかったです。真実を追求し、大事なことは記憶を掘り起こしてでも胸に刻む必要があります。

ダイアナ妃、ごめんなさい。もっと早くこれを見つけて、偏見のフィルターを通さずに、あなたがみんなの心の王妃であることを知りたかったです。もしもダイアナ妃が生きていたら、世界中の人々が今も救われていたに違いありません。生前、路上で生活していた人々や病気などで苦しんでいた人々に対して惜しみない愛情を与え、スポットライトを当ててくれたことに心から敬意と感謝を表します。


全インタビューの書き写しはこちら
全インタビューの映像はこちら 

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